外国人アルバイトはホールの人手不足を救うか?「家族滞在」の就労解禁を考える

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2026年10月1日から、在留資格「家族滞在」を持つ外国人が、個別の許可を受ければホールでアルバイトとして働けるようになりました。これまで原則として認められてこなかった就労の扉が開いたことになります。慢性的な人手不足に悩むホールにとって、この解禁は切り札になるのでしょうか。条件と注意点を整理しながら考えます。

参照:厚生労働省|資格外活動で働けるお仕事

何が変わったのか

これまで、留学生や家族滞在の外国人がアルバイトをする場合、ホールのような風俗営業の店舗で働くことは原則として認められていませんでした。今回この扱いが見直され、10月1日からは「家族滞在」の外国人に限り、出入国在留管理庁の個別許可を受ければホールで働けるようになりました。

家族滞在とは、日本で働く外国人や留学生に扶養される配偶者や子どもに与えられる在留資格です。一方、留学生本人は引き続き対象外です。

実現までの経緯

今回の見直しは、業界団体が長年にわたり関係機関へ働きかけてきた成果とされています。その実現に尽力したのが、木村義雄参議院議員です。木村議員は、2022年の参院選でパチンコ業界の政治団体の支援を受けて立候補し、2026年2月に繰り上げ当選で国政に復帰しました。厚生労働副大臣などを務めた経歴を持ち、自民党の「時代に適した風営法を求める議員連盟」を通じて業界と関わってきました。

7月29日の東京都遊協の理事会では、木村議員が制度の見通しを説明しています。対象となる家族滞在者を約15万人とし、10月までにルールを決めて始めると述べました。

制度開始直前の9月29日には、同じく都遊協の理事会で阿部恭久理事長が、木村議員の尽力で実現したことに触れました。留学生の帯同家族約32万人のうち半数ほどが対象になるとして、積極的な活用を呼びかけています。

施行に合わせ、全日遊連も出入国在留管理庁や厚生労働省の担当者を招いたセミナーを開くなど、業界内の関心は高まっています。

制度の詳しい要件や申請方法は、出入国在留管理庁の案内ページ(リンク)で確認できます。

参照:出入国在留管理庁|遊技場営業店舗における資格外活動許可について

押さえておきたい条件と注意点

働ける時間には上限がある

家族滞在の外国人が働けるのは、週28時間以内です。この上限はホールだけでなく、他のアルバイトと合わせた合計に適用されます。たとえば別の職場で週20時間働いている人なら、ホールで働けるのは週8時間までです。フルタイムの戦力ではなく、短時間シフトを担う人材と考える必要があります。

採用前に手続きが要る

ホールで働くには、本人が出入国在留管理庁の個別許可を受けなければなりません。すでに一般的なアルバイト向けの許可(包括許可)を持っている人も、ホールで働く場合は別に個別許可が必要です。許可は勤務先を特定して出されるため、別の店舗で働くには追加の許可を受けることになります。申請しても、許可が出るまでは働けません。採用を決めてから勤務開始までに時間がかかる点を、シフト計画に織り込んでおく必要があります。

ホール側にも責任が生じる

申請にあたっては、ホール側も書類を用意します。法令の遵守や勤務時間の確認などを約束する誓約書と、営業許可証の写しなどです。採用後も、外国人を雇い入れたときと離職したときには、ハローワークへの届出が必要です。また、他のアルバイトと合わせて週28時間を超えていないか、定期的に確認することも求められます。

制度の運用には細かな要件があります。実際に採用を検討する際は、管轄の出入国在留管理局や行政書士に確認したうえで進めてください。

切り札になるか、期待できることと限界

期待できること

最も大きいのは、採用の母集団が広がることです。これまで応募の対象にならなかった層に、新たに求人を届けられるようになります。

また、週28時間という上限は、裏を返せば短時間勤務と相性がよいということです。夕方から夜のピーク帯や土日など、人が足りない時間帯に絞って働いてもらう形なら、ホール側の需要とも合いやすいでしょう。

限界

一方で、週28時間の上限がある以上、主力スタッフとして長時間のシフトを任せることはできません。他のアルバイトとかけ持ちしている人であれば、ホールで働ける時間はさらに短くなります。

手続きと管理の手間も無視できません。採用のたびに個別許可の申請が必要で、許可が出るまでは働けません。採用後も勤務時間の確認や届出が続きます。

さらに、受け入れ体制の準備も欠かせません。接客やトラブル対応では日本語でのやり取りが中心になるため、業務の切り分けやマニュアルの整備が必要です。

本音の結論

今回の解禁は、人手不足を一気に解消する切り札ではありません。「採用の選択肢が一つ増えた」と捉えるのが現実的です。ただ、短時間で働ける人材を確保できれば、既存スタッフの負担を軽くし、シフトの柔軟性を高めることにはつながります。過度な期待はせず、自店の弱い時間帯を補う手段として検討する価値は十分にあります。

活かすなら何から始めるか

まず、どの時間帯の、どの業務を任せるかを決めます。週28時間以内という条件を前提に、人手が足りない時間帯と、日本語でのやり取りが比較的少ない業務を洗い出しておくと、採用後の配置がスムーズです。

次に、求人の出し方を考えます。厚生労働省は、ハローワークで外国人の採用を考える事業主向けに、求人の申込みや求人条件の相談などの支援を案内しています。既存の求人媒体と並行して活用するとよいでしょう。

あわせて、受け入れ側の準備も進めます。業務マニュアルを図や写真で分かりやすくしたり、教育担当を決めたりしておくと、言葉の壁による戸惑いを減らせます。

まとめ

外国人アルバイトの解禁は、ホールの人手不足に対する一つの答えです。ただし、それだけで問題が解決するわけではありません。採用ルートを増やす取り組みと並行して、少ない人数でも店舗を回せるよう、設備や業務の見直しを進めることが大切です。

キャッシュレス化([内部リンク:玉貸・メダル貸のキャッシュレス決済の記事])や島設備の保守の見直し([内部リンク:パチンコ球補給及びメダル搬送設備の記事])など、省人化につながる手段もあわせて検討してください。

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