BT機は「設置10%」に届くのか?ホールが今考えたい導入台数と運用

BT機は「設置10%」に届くのか?ホールが今考えたい導入台数と運用 トピックス

2025年6月、新しい遊技性を備えたBT機(ボーナストリガー機)がホールに登場しました。業界団体が掲げる目標は設置比率10%。ところが2026年2月時点の設置は、約3%にとどまっています。まだ様子見というホールも多いのではないでしょうか。入れるべきか、入れるならどう運用するか。現状の数字と業界の動きから、判断材料を整理します。

BT機とは何か。ノーマルとATの「中間」という位置づけ

BT機の基本的な仕組み

ボーナストリガー(BT)は、2024年8月に発表された6号機の新しい遊技性で、これを搭載した機種がBT機です。条件を満たすと、ボーナス終了後のBET枚数を2枚掛けや1枚掛けに固定できます。BET枚数ごとにボーナス確率を変えられるため、ノーマルタイプの中に「ボーナス高確率状態」をつくれる仕組みです。つまり、ノーマル機の分かりやすさは残したまま、連チャン性や出玉感を上乗せできるということ。なお、AT・RTとの併用はできません。

背景にあるのは、パチスロ市場の二極化です。2024年7月時点で、スマスロAT機が約55万台、ノーマル機が約40万台。ユーザーにとっては、射幸性の高いATか、出玉性能が控えめなノーマルか、という選択になっていました。BT機は、その間を埋める「第三のパチスロ」として生まれた機種です。

2025年6月の導入開始から現在まで

BT機のホール導入は2025年6月2日に始まり、最初は4機種でのスタートでした。ところが8か月あまりたった2026年2月時点でも、設置は約3%。正直なところ、目標の10%との差は小さくありません。

日電協は2027年6月末までに10%を目指す「BT10」を掲げ、2026年4月からは毎月13日を「BTの日」とするプロモーションも始めています。型式試験にBT機の専用枠を設ける申し合わせも行われ、新台を供給する体制づくりが進んでいます。業界を挙げた後押しは、ここにきて本格化しているといえます。

なぜBT機の設置は伸び悩んでいるのか

設置約3%という数字の意味

2026年2月時点で、パチスロ全体に占めるBT機の設置は約3%です。導入開始から8か月あまりたっても、100台のうち3台ほどという計算になります。日電協の小林理事長も「一定の支持は得られている」と話しつつ、目標には届かないとの見方を示しました。つまり、ユーザーにまったく受け入れられていないわけではない。ただ、ホールの主力と呼べる段階にはまだ遠い、ということです。

気になるのは、倉庫などに眠っているとされる中古BT機が約2万2,000台あるという指摘です。一度は導入したものの、外したホールが少なくないのかもしれません。

高射幸性機種への需要が強く、少台数導入にとどまる

BT機に対するホールの理解は進んでいるとされます。それでも導入が少ない台数にとどまるのは、高射幸性機種への需要がいまも強いからです。限られた入替予算は、稼働が読みやすいスマスロAT機の新台に回したい。経営判断としては自然な流れでしょう。ここが悩ましいところです。

バラ置きでは、新しいゲーム性が伝わりにくい

業界団体は、少台数導入の結果として、新しいゲーム性の訴求や運用面での活用が十分に進んでいないと見ています。バラエティの片隅に1台置くだけでは、ユーザーが「BT機とは何か」を知る機会がほとんどありません。打たれないから稼働が上がらず、稼働が上がらないから増台もしない。この悪循環を抜け出せるかどうかが、BT機の今後を左右します。

ホールにとってBT機を入れる意味はあるか

投資負担を抑えたいユーザー層の受け皿になる

BT機は、プレイヤーの投資負担を抑えながら、ある程度の出玉感を確保できるように設計されています。ここで注目したいのが、コイン単価と稼働の関係です。ダイコク電機の服部祐治氏は、コイン単価が2.8円を超えると稼働が下がる傾向があると指摘しています。現在は約2.9円で、危険水域に入りつつあるとのこと。つまり、AT機中心の構成で単価が上がりすぎると、遊びたくても続けられないユーザーが離れていくおそれがあります。BT機は、そうした層をつなぎとめる受け皿になり得ます。

「BTの日」(毎月13日)をどう活用するか

業界団体は2026年4月から、毎月13日を「BTの日」として、ホールとユーザーの双方にBT機を訴求しています。業界全体で認知を広げようとしている日ですから、自店のBT機を知ってもらうきっかけとして使わない手はありません。店内POPでBT機コーナーの場所を伝えるといった、地道な取り組みでも十分です。ただし、告知は広告宣伝規制の範囲内で行うことが前提になります。

導入台数とコーナー配置の考え方

では、何台入れればよいのか。2026年7月の業界勉強会では、少台数でも多機種を集めてBT機コーナーをつくったホールほど稼働が上がる、というデータが示されました。「まずはバラエティに1台からでも」という提案もあります。正直なところ、いきなり大量に導入する必要はありません。比較的安価に取引されている中古BT機も使いながら、2〜3機種を1か所にまとめる。この形から始めて、自店の稼働を見ながら増やしていくのが現実的です。

2027年6月の目標期限までに、ホールが判断しておきたいこと

導入前に自店の客層と稼働データを確認する

BT機が合うかどうかは、ホールによって異なります。まず確認したいのは、ノーマル機コーナーの稼働状況。あわせて、AT機の単価が上がったことで客足が落ちていないかも見ておきたいところです。ノーマル機を好む層が厚いホールや、少ない投資で遊びたいユーザーが多いホールほど、BT機を試す価値は大きいはずです。つまり、業界の目標に合わせるのではなく、自店のデータを判断の軸に置くということです。

メーカー施策の動きをどこまで追うか

型式試験にBT機の専用枠が設けられたことで、今後は新台の供給が増えていくと見込まれます。とはいえ、すべてを追いかける必要はありません。BT10の進み具合や新台の発表は、入替計画を立てる時期にまとめて確認する。その程度の距離感で十分でしょう。

まとめ

BT機は、設置約3%という数字だけを見ると、まだ様子見でよい機種に映るかもしれません。ただ、コイン単価の上昇でユーザー離れが心配されるいま、投資負担を抑えて遊べる受け皿を持っておく意味は小さくありません。大切なのは、業界の目標に流されることでも、最初から切り捨てることでもありません。

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