【M&A】マルハンが建設会社イチケンにTOB

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マルハン、イチケンにTOB、子会社化はせず

アミューズメント事業大手の株式会社マルハン(本社:東京都千代田区)は、東証スタンダード市場に上場する中堅建設会社、株式会社イチケンに対し、株式公開買付け(TOB)を実施し、資本関係の強化を図る方針です。今回のTOBにより、マルハンはイチケン株の保有比率を現在の32.27%から40.00%に引き上げることを目指します。なお、イチケンはTOB成立後も上場を維持する予定です。

イチケンは、今回のTOBに対し賛同の意見を表明しましたが、株主に対して応募の可否は個々の判断に委ねるとしています。

買付価格は1株あたり3,500円で、これは公表前営業日(2025年5月20日)の終値2,917円に対して19.99%のプレミアムを加えた水準です。買付予定株数は56万800株で、これは発行済株式総数に対して7.73%に相当します。買付けに下限の設定はなく、買付総額は約19億6,280万円となる見込みです。

買付期間は2025年5月21日から6月24日までの25営業日で、決済の開始日は7月1日を予定しています。公開買付代理人は、みずほ証券株式会社が務めます。

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イチケンに対するTOBに至った背景

長年の資本関係と協業
イチケン(東証スタンダード上場の中堅建設会社)は、パチンコホール運営大手マルハンと長年にわたり資本・業務提携関係にありました。実は2004年にマルハンがイチケン株の約29%を取得して筆頭株主となり、それ以降マルハン系グループの一員として協業してきた歴史があります。マルハンは全国にパチンコホール等のレジャー施設を展開しており、イチケンは主に商業施設の建設・内装工事を得意としています。このためパチンコ店など施設建設・管理で大きなシナジー(相乗効果)が期待され、マルハンは安定した施工パートナーを得るメリットがありました。

協業強化と独立性維持のバランス
2025年に至るまでマルハンはイチケン株の約32.27%を保有する筆頭株主でした。今回マルハンはさらに出資比率を引き上げ、両社の関係をより緊密にして双方の業績拡大につなげる狙いです。一方で、イチケンの経営の独立性や上場会社としての自律性は今後も尊重する方針が示されています。マルハン側は今回のTOBについて「イチケン株式の上場維持と経営の独自性は守られるべき」と明言しており、完全子会社化(非上場化)を目的としない点が特徴です。

これは将来的にイチケンが東京証券取引所のプライム市場への市場変更(ステップアップ)を視野に入れているためで、プライム上場基準の流通株比率35%以上を安定確保するよう配慮した戦略と言えます。つまり、マルハンはイチケンをグループ内に取り込みつつも株式の35%以上は市場に残し、上場企業としての体制を維持しようとしているのです。

今から仕込んでおきたい銘柄:イチケンTOB解説|マルハン出資強化の背景と株価が3,500円に届かない理由

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